未分類

常識を覆す考え方~革命のファンファーレ~

西野亮廣 革命のファンファーレ

西野亮廣の『革命のファンファーレ』は売れに売れたビジネス書である。中身が濃いものであることはもちろん、売り方の天才が本書や絵本『えんとつ町のプペル』で行った売るための広告手法がこの本の中にぎっしり詰まっている。

すごいのはその常識を超越した考え方。気付けそうで気付けない、言われたらすごく納得してしまう、物事の裏側に隠された本質が惜しげもなく語られている。

インターネットが破壊したもの

インターネットが破壊したものはたくさんある。例えばスペースの制限。本屋とアマゾンの違いは売れない本を置いておける陳列棚が有限か無限かという表現で説明されている。

そして何より大きな影響は、検索で簡単に正解や本物にたどり着けてしまうようになったので、みんなの目が肥えたという点があげられる。

インターネットがもたらしたのは究極の実力主義。誰もが数秒でグーグル検索が可能になった今、一瞬で本物と偽物は選別されてしまう。それでいて広告もその実力に含まれる。よい商品を作り、顧客への届け方まで設計するのが実力であるというもの。

無料公開とマネタイズ

無料公開はまさにその象徴といえる。

絵本『えんとつ町のプペル』発売数か月後、まだ売り上げがそこまで落ちていない状況の中全ページがインターネットで無料公開された。当時は大変な批判が西野亮廣に寄せられたが、結果絵本の売り上げが伸び、仕事がなくなると危惧されていたクリエーターにはボーナスが支給されたという。

一体何が起きたのか?西野亮廣は何を起こしたのか?

インターネットでの無料公開が模したのは本屋の立ち読み。面白いと決まったものしか買われないという絵本の習性を活かし、忙しいお母さんが家で、スマホで立ち読みできる環境を作った。そして、読み聞かせという絵本の習性を活かし、スマホで読み聞かせはないと読み、更に読み聞かせしにくい縦スクロールでの公開を行った。

恐ろしいくらいの策士である。

ワイドショーが西野亮廣を叩けば叩くほど絵本の宣伝にもなり、無料公開を皮切りに発売直後のような爆発的に売り上げが伸びた。入り口でお金をもらわず、少し楽しんでもらってからもっと楽しみたい人はお金を払ってねというフリーミアム戦略。

近代ビジネスの戦い方のお手本のような、教科書のような見事な勝利。結果を聞けば、全て理に適っていて勝つべくして勝ったと理解できる。そして、これを思いつくのは容易ではないことも。

賛成派のエネルギーと反対派のエネルギー

アンチを手放してはいけないとも提唱している。

ワイドショーで叩かれることが宣伝効果になったのは前述の通り。湧いて出てくる反対派をいかせば大きなエネルギーになる。

それに対して何も生まないのが無風状態。追い風はもちろん、向かい風でも帆を進めることはできるが、無風では船は全く進まない。

反対派からは逃げてしまうのが普通の考え方だろう。誰でも自分を気持ちよくさせてくれる人に囲まれたいもの。でも、反対派の根拠なきエネルギーは使い方によっては自分をプラスにしてくれる原動力になり得る。

意思決定は○○が行っている

意思決定は誰がするのか。自分?クライアント?上司?家族?

答えは、環境。

自分の意志は自分のもののようで、自分のいる環境に依存するという。この見解はとても興味深い。

だとしたら、自らの意志決定に不満を抱えている人は対策をたてやすい。ダイエットを志してもつい間食をしてしまう人は、お菓子の無い環境や運動を続けやすい環境作りをする必要がある。飲み会に行きたくなくても行かされる人に必要なのは、断る勇気ではなく、行かなくてもよい、行かない方がよい、行ったら周りが損するような環境である。

時代の変化とともに沈んでしまう

急速に変化する時代についていけない人は時代とともに沈んでしまう。

変化が好まれないような国民性があるのではないかと感じる。寧ろ変化せず、一つのことを愚直にやり通すことへの美学のようなものがある。

しかし、昨年の常識は今年は違うかもしれない。先月と同じやり方でうまくいくとは限らない。身の回りの変化を感じ、見極め、常識を疑うことが大事である。

まとめ

生物は絶えず変化を繰り返してきたらからこそ生き延びてきた。象の鼻が長くなったのも、キリンの首が長くなったのも、ウサギの耳が大きいのも、全て生き延びるために必要な進化だった。

ではヒトに必要な進化とは何か。

それは思考のアップデートではないかと思う。今までの常識を自ら書き換えることができるかどうか。定石と呼ばれる普遍的な良質の常識を残し、時代遅れになった悪質の常識を捨てきれるか。

西野亮廣は恐いくらいにそれができている。