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勝つべくして勝つ~孫子の兵法

孫子の兵法

世界的に有名な軍略家である孫子の兵法書はたくさんの軍師に参考にされている。かのナポレオンや毛沢東も孫子の兵法にその業を学び戦争の指揮をとっていたという。その道理は現代でも色褪せることなく多くの賛同を得ており、経営者を中心にビジネス書としても名を馳せている。

時代を超えて親しまれているこの兵法書の内容は、突飛で派手な軍略などはほとんどなく、確実に勝つために緻密な計算と努力をするというような内容である。小説や映画で見るような劇的で感動的な戦いではなく、戦いの前に勝利が決まっているような戦しかしない。それこそが孫子の必勝法である。

常勝の裏にある法則は驚くほど平凡だが、これを徹底するのは難しく、徹底できたものがいつの時代でも勝利を手にする。

撤退とは反転攻撃のための準備で、積極戦略

孫子曰く、トップとしての手腕は進撃の判断よりも撤退の判断の時に問われる。今撤退をしたら一時的に損はするが、後の被害防止と反転攻撃での利益を考えたら撤退が得、という判断ができるかどうか。つまり、損切りできるかどうか。

株取引や商売の世界でも、損切りの判断ができるかどうかは大事な要素だと言われる。自分が積み上げたものほど捨てるのは惜しいものだが、そこで私情が入ると冷静な判断ができなくなる。

撤退は臆病者のような扱いを受けがちだが、本当に勇気がいるのは損と責任を覚悟した撤退の瞬間である。

不敗の態勢を固めることはできるが、必勝の条件はつくり出すことはできない

孫子曰く、不敗の態勢を作るのは戦いの基本である。攻める前にまず守りを固めよ。

これは負けないための戦法であり、負けないための準備にやり過ぎはない。守りを堅くしようと思えばどこまでも堅くできる。反して、必勝の条件というものはつくり出すことができない。

必勝の条件はないからこそ、とにかく確率を上げていくことが必要になる。少しでも兵力が多い方が良いし、兵糧が尽きなければ長く戦えるし、有利な場所で戦えれば兵力を温存できるし、戦わずして勝てるなら兵力も食糧も温存できる。

少しでも有利な条件を整え、しっかり守りを固めて勝機を待つ。これが負けない将軍の戦い方である。このような強い将軍は当然、勝機と見たら一気にたたみかける。

君主が将軍の指揮権に干渉しないことは絶対条件

孫子曰く、政治の善し悪しが戦争の勝敗を左右する。

政治が戦う前の条件をほとんど決めてしまい、言ってみれば政治の差でほとんどの戦いは戦う前に勝負がついている。それがゆえに君主は将軍よりも要所を担う。

だからと言って君主が将軍に口を出しては戦は悪い方向に行く。現場を知らない上司が現場に指示をしたところでろくなことにならないことは周知の事実だろう。将軍は君主を敬い、君主は将軍の現場の感覚を尊重する。お互い違う役割を担い、信頼しあってこそ良好な関係がうまれ、強い組織が出来上がる。

敵を知らない戦いは良くて五分五分、己も知らなければ必ず敗れる

孫子曰く、情報が戦の命運を分ける。相手の情報然り、自分の情報然り。

上手な戦では自分の強いところを相手の弱いところにぶつける必要がある。勝つべくして勝つためには、楽勝できるところで徹底的に戦うのである。そのために必要なのは情報で、相手の戦力、将軍の考え方、背景、戦に至る経緯、全ての要素を総合的に考え、最適な勝ちどころを探る。最適な勝ちどころを図るためには自分と相手の比較ができなければ話にならないため、自分の実力もわかっていないと判断ができない。

例え強さがなくても、自分より弱い敵と戦い続ければ勝ち続ける。強くても、更なる強者と戦えば負ける。卑劣と言われようが逃げ腰と言われようが、勝つか負けるかの真剣勝負においては勝利こそ正義で、勝利こそ全てである。

戦って勝つのではなく、勝ちが決まってから戦う

孫子曰く、誰が指揮しても勝てるような安全な戦が理想という。魂が震え上がるような熾烈な戦いで勝利を引き寄せるのではなく、戦う前から勝ちが決まっているような戦をするべきだと。

敵の守らざるところを攻め、多勢で無勢にけしかける。必勝の準備ができてもその状況を表に出さず、相手方が有利だと勘違いをさせる。正々堂々の正面衝突はイノシシの戦であって、人間の戦は頭を使った騙しあいである。

勝ちを決めて戦うので、負けようがない。

まとめ

将軍と経営者はいくつも共通点がある。損切りの判断が何より重要で、無防備ではだめで、指揮系統は他人に委ねず、情報が命と同じくらい大事で、勝機を待つ忍耐力が必要である。

孫子の兵法は勝者の条件を解いていて、紀元前の戦においてもテクノロジーが進化した現代でもその理は変わらない。